一包化加算について解説
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一包化加算について

一包化加算の算定条件は少しややこしく感じるかもしれませんが、考え方さえわかれば非常に簡単です。 今回はどのような処方が来ても対応できるよう、算定を取れる要件についてまとめてみました。

算定要件

算定要件は以下の通りです。 『2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化を行った場合には、一包化加算として、当該内服薬の投与日数に応じ、次に掲げる点数を所定点数に加算する。』

考え方

※ここさえ読んで頂ければ一包化算定要件の基本はおさえれると思います!

剤とは?

算定要件の文章で皆さんが分かりにくくなっているのが『1剤』『2剤』の考え方です。 これは調剤報酬の計算する上での基本となりますが、ここさえおさえておけば一包化加算の考え方は非常に簡単です! 『剤』とは服用時点のことです! 薬の種類が何種類あろうが、服用時点が1つであれば1剤、服用時点が2つであれば2剤となります。 まだ分かりにくいと思いますので、例を見てみましょう。

A錠   1錠

朝食後   30日分

⇒1剤 この場合は、服用時点が朝食後のみなので1剤となります。

A錠   3錠

毎食後   30日分

⇒3剤 この場合は、朝食後・昼食後・夕食後 3つの服用時点があるので3剤となります。

A錠   1錠
B錠   1錠
C錠   1錠
D錠   1錠
E錠   1錠

朝食後   30日分

⇒1剤 この場合薬は5種類ありますが、服用時点は朝食後のみなので、1剤となります。

A錠   2錠
B錠   2錠
朝夕食後   30日分

C錠   3錠
D錠   3錠
E錠   3錠
毎食後    30日分

⇒3剤 この場合薬の種類は多いですが、服用時点だけ見ると 朝食後・昼食後・夕食後 3つの服用時点なので3剤となります。

A錠   1錠
朝食前   30日分

B錠   1錠
朝食後   30日分

⇒2剤 同じ朝でも服用時点が食前と食後で違うため2剤となります。 しかし、「食直前」と「食事30分前」の場合は同じ区分で1剤ととらえます。 あくまで、食前・食間・食後の3区分の剤数で考えます。

服用時点に重なりがあるか?

あくまで一包化加算なので、剤数が2剤以上あっても重なっている部分が無ければ算定はできません。

A錠   1錠
朝食後   30日分

B錠   1錠
夕食後   30日分

⇒算定できない 服用時点が2回なので2剤ではあるのですが、A錠とB錠をまとめる事ができないため(服用時点に重なりがない)算定はできません。

医師の指示が必要

一包化加算を算定するためには、必ず医師の指示が必要です。 医師の指示無しで行なった場合その行為は一包化と認められず、患者さんへのサービスとなりますので一包化加算は算定できません。

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一包化加算の算定例

ここからは、具体例を上げて算定ができるかどうかを見ていきます。

基本編

A錠   3錠
毎食後   30日分

B錠   1錠
夕食後   30日分

⇒算定できる この場合服用時点が、朝食後、昼食後、夕食後の3剤で『2剤以上の内服薬』という要件を満たしているので算定できます。

A錠   1錠
朝食後   30日分

B錠   1錠
夕食後   30日分

⇒算定できない 2剤ありますが服用時点に重なりがないため算定できません。

A錠   1錠
B錠   1錠
C錠   1錠

朝食後   30日分

⇒算定できる 1剤ですが、3種類の薬があるので『1剤で3種類以上』という要件を満たしているので算定できます。

A錠   5錠
B錠   3錠

朝食後   30日分

⇒算定できない 錠数は多いですが、『2剤以上の内服薬』、『1剤で3種類以上』のどちらも満たしていないため算定はできません。

発展編

<規格違いが含まれる場合>

A錠(0.5mg)   1錠
A錠(1mg)   1錠
B錠   1錠

朝食後   30日分

⇒算定できない 『1剤で3種類以上』の要件を満たしている様に見えますが、規格違いは1種類とみなされるためこの場合は算定はできません。 <ヒート調剤が含まれる場合>

A錠   1錠
B錠   1錠
C錠   1錠(ヒート調剤)
朝食後   30日分

⇒算定できない 3種類以上の要件を満たしていますが、ヒート調剤を行なった場合その他の薬剤が条件に満たされるかどうかを考えます。従って上記の場合は算定できません。 <残薬を用いて一包化する場合>

A錠   1錠
B錠   1錠
朝食後   5日分
※C錠残薬あり

D錠   1錠
E錠   1錠
夕食後   30日分
※A錠、B錠 25日分、C錠30日分の残薬を用いて一包化

⇒算定できない この場合確認することは、実際に処方された内容が一包化加算要件を満たすかどうかです。残薬をいくら一包化しても処方された内容が一包化算定要件を満たしていなければ算定できません。 <自家製剤、計量混合調剤が含まれる場合> 自家製剤加算や計量混合加算をとれる薬剤が一包化に含まれる場合、一包化加算を取ったらどちらもとる事ができません。

A錠   1錠
B錠   1錠
C錠   0.5錠

毎食後   30日分

この場合、一包化加算は算定できます自家製剤加算は算定できません

A錠   2錠
B錠   2錠
C散   0.5g
D散   0.8g

朝夕食後   30日分

この場合も、一包化加算は算定できますが、計量混合加算は算定できません

A錠   2錠
B錠   2錠
朝夕食後   30日分 (一包化)

C散   0.5g
D散   0.8g
朝夕食後   30日分

⇒上とは似ていますが、上記の場合はC、Dは一包化とは関係ありませんのでA錠、 B錠に対する一包化加算と、C錠、D錠に対する一包化加算を算定する事ができます。

一包化加算の点数

肝心な一包化加算が何点取れるかについては処方日数によります。 42日分以下の場合投与日数が7又はその端数を増すごとに34点を加算して得た点数 43日分以上の場合240点 つまり下記のようになります。

1~7日 34点
8~14日 68点
15~21日 102点
22~28日 136点
29~35日 170点
36~42日 204点
43日以上 240点

いかがでしたでしょうか。 処方によっては非常に複雑なケースもありますので、参考にしていただけると幸いです。

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