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一包化できるかできないかの調べ方について
「初めて一包化する薬だけどこれってPTPシートから出していいのかな・・・」
一包化の調剤を行っている薬局の薬剤師さんであれば、必ず一度はぶつかる悩みだと思います。
大学や研修などで、意外と具体的にどのような手順で行えばいいかといったやり方を教わる機会が無かったと思います。
この記事を読めば、初めて扱う薬でもスムーズに一包化できるかどうかを調べる事ができます!
ここでは一包化可否についてどのように調べていけばいいかの手順を解説します!
PTPシートから出していいかどうかの調べ方
手順1 添付文書を見る
一番の基本となります。
一包化する上で添付文書で確認すべき内容は、
- 吸湿性
- 光による安定性
- 硬さ
この三つが一般的です。
ここで大事なのが、添付文書のどの部分を確認すればいいのかです。
まず見るべき項目は以下の3つです。
①適用上の注意
②取扱い上の注意
①→②→③の順番で確認してください。
というのも、実際に一包化不可の医薬品40品目ほど調べてみたところ、一番多く書かれていたのが「適用上の注意」の部分でした。
ちなみに「適用上の注意」「取り扱い上の注意」は添付文書最後の方にある項目で、「貯法」は最初の方にある項目です。
文言としては、以下のような文章が書かれている事が多いです。
「光及び湿気を避けるため、PTP包装のまま保存すること」
「吸湿性を有するのでPTP包装のまま保存すること」
「錠剤は自動分包機に適さない。(通常の錠剤に比べて柔らかい。)」
大抵の一包化不可の医薬品はここに記載されています!
手順2 ページ内検索
これはインターネットやPDFで添付文書を確認している場合に限りますが、ページ内検索を行います。
ページ内検索とは、そのページ内での文字を検索する方法です。
Windowsであれば Ctrl + F を押すと上部に検索フォームが表示されます。
(その他Macやスマホでもページ内検索ツールは必ずあるので、Windows以外の方はご自身のツールでの検索方法をお調べ下さい)
ページ内検索は、PDFファイルなどにも有効なのでうまく活用すると非常に便利です。
おなじみのPMDAの添付文書情報メニューを使うと添付文書もインタビューフォームも素早く閲覧する事ができます。
「湿」「光」「色」
といったキーワード検索を行い、「変色しやすい」や「吸湿性が高い」などの記載が多く少し怪しいと感じたら次の手順へ進んでください。
手順3 同じ内容をインタビューフォームで検索
上記内容で少し心配であれば、インタビューフォームでも確認するとより細かい情報が出てきます。
「製剤に関する項目」という部分に細かな情報が記載されています。
それでも心配の場合は4、5、6の手順を確認してください。
手順4 バラ錠があるか
当たり前ではありますが、バラ錠が存在している薬であれば大抵ヒートから出しても大丈夫なはずです。
添付文書の「包装」の項目を見るとバラ錠があるか確認できます。
手順5 ググる
Googleで検索ですね。「医薬品名 一包化」などで検索してください。
しかしここで気をつけて頂きたいのは「その薬は一包化して大丈夫!」という情報を集めるのではなく、「その薬は一包化しない方がいい」という情報集めを行ってください。
あくまでネットの情報なので、何かあったときに「Google検索したら一包化して大丈夫って書いてあったから一包化した」というのは通用しません。
Google検索を行って、一包化不向きといった情報があれば次の手順へ進んでください。
手順6 製薬会社に問い合わせ
最終手段です!
添付文書の一番最後の項目に連絡先が記載されているためメーカーに問い合わせましょう。
しかし、製薬会社も「データが無い」などあいまいな回答が帰ってくる事がほとんどです。
ここで製薬会社に問い合わせてみても一包化するのをためらうようであれば、そこは薬剤師さんの判断ということで一包化するのは避けた方がいいでしょう。
あくまで患者さんへの一包化の必要性と、医薬品の安定性を考えた上で調剤を行ってください。
一包化した後に、しっかり乾燥剤を入れて保管するようお伝えするなども良いかと思います。
いかがでしたでしょうか。
最終的には薬剤師の判断というのも出てきますが、この手順を追えば一包化の可否が判断しやすいかと思います。
少しでも皆様のお役に立てれれば幸いです。