調剤報酬請求について
「レセプトに関しては事務さんに任せちゃってるので、いまいちどういう流れで支払いが行われてるのかわからない・・・」
薬剤師の業務は調剤、監査、投薬の他にも在庫管理、棚卸、在宅業務、勉強会への参加・・・などなどやる事が多く、保険やレセプトについて勉強する機会が少なく知識が曖昧だという方もいらっしゃるかとおもいます。
医療事務さんにとっては基本的な事にはなると思いますが、新人薬剤師さんなどは勉強する機会が少ない分野かと思います。
今回は調剤報酬請求がどのような流れで行われているかについて簡単にまとめました!
この記事では調剤報酬のお話なので薬局を中心に話を進めていますが、病院での診療報酬制度でも同じ流れによる請求や支払いが行われます。
調剤報酬請求の流れ
①患者さんから一部負担金をもらう
薬局では、患者さんから医療費の一部を頂き、残りの医療費を保険証を公布している保険者に1ヶ月に1回まとめて請求します。この時、1ヶ月分の調剤行為をまとめたものを調剤報酬明細書(レセプト)といいます。レセプトは患者さんごとに毎月1枚作成します。
②審査支払機関に提出
薬局はレセプトを保険者に請求する流れとなりますが、実際には保険者に直接請求するのではなく、保険者に届く前にその医療費が正しいかどうかの審査が入ります。その審査を行う機関が審査支払機関です。審査支払機関は、レセプト審査や、保険者へ調剤報酬の請求、薬局へ調剤報酬の支払いなどを行っています。
審査支払機関には、社会保険を対象とする「社会保険診療報酬支払基金(支払基金)」と、国民健康保険および後期高齢者医療制度を対象とする「国民健康保険団体連合会(国保連)」があります。
③返戻
提出されたレセプト内容に誤りがあると、審査支払機関からレセプトが差し戻されることがあります。これを返戻といいます。返戻をされた場合には、レセプトを修正して再提出する必要があります。
④保険者へ審査したレセプトの送付
審査支払機関による審査が完了したら、そのレセプトが保険者に送られます。保険者は加入している保険によって異なります。保険者に関しては下記の記事を参考にしてください。
⑤医療機関(薬局)へ医療費の支払い
審査に通過すると薬局へ請求した医療費が支払われます。この支払いに関しても、保険者から直接薬局へ支払われるのではなく、審査支払機関を通して残りの医療費が支払われます。
このようにして、薬局は患者さんから一部負担金をいただき、残りの医療費を審査支払機関を通して保険者へ請求しています。
薬局の業務を行っていると度々「この処方内容は保険が通らないから疑義照会して!」なんて言葉を耳にすると思いますが、この「保険が通らない」というのは審査支払機関から返戻がくるということになります。
今回は調剤報酬がどのような流れで薬局に支払われているかについて簡単にまとめました。
是非参考にして頂けたらと思います。